BGFKさんが投稿したカスタム事例
2025年05月19日 09時33分
音楽を語り楽しみ感じるオーディオを
おはようございます
2025年5月19日 今熊山 霧雨模様
シミュレーションソフトのLTspiceを使い始めて見えてきたというか、今までの考えに根拠がさらに追加されたところがあって、それは
「ゲイン調整」というワード
これまでもこれについては批判的にコメントしてきたが、それについては基本的に間違ったことは言ってなかったと思っている
今後も時々繰り返そうと思っているが
「ゲイン調整」という言葉は、日本のカーオーディオ業界独特のワードであって少なくともホームオーディオでは使われず、またアンプ設計の話としては全く別の内容となっている
製品だけでなく動作するパワーアンプの「ゲイン」は、そもそも可変出来るものはなく、設計段階で「決定」される
ゲイン調整と強弁できなくはないのは、メイン回路の前にプリアンプ回路があって、そこのフィードバックに可変抵抗が入っている場合(KICKER ZRなど)、プリアンプ回路のゲインは可変となるが、それでもメイン回路のゲインは固定されている
パワーアンプは、入力信号±1V程度の電圧を増幅して
(トランジスタによって流れる電流の振幅がおき、絡んでいる抵抗に電圧が発生してそれが電圧の増幅となる)
最終段では、ゲイン1倍のまま大電流をながしてスピーカーのボイスコイルを駆動する
この最終段階でどのような電圧振幅で入ってくるかがそのパワーアンプの出力を決める
大雑把に言えばそこの振幅電圧の二乗に比例していく
で、昨日のLT spiceの作業で発見したのは(というほどではないが)、
クリップというのはどの段階で発生するのかという点で、これがいままでイメージ出来なかった
最終段階なのかと思っていたが、どうも違うようで、
その前の電圧増幅段階でクリップすることが分かった
増幅信号がクリップするとは、アナログの増幅回路では電源電圧を超えて増幅することはなく、その手前でクリップする
オペアンプでいえば、通常電源電圧は±15Vであるが、増幅信号は±12Vあたりからクリップし始める
なぜ余白を残してクリップが始まるかと言えば、ざっくりな理解しか出来てないのだが笑
要するにトランジスタは動作するのに一つ0.6Vが必要で、
これが2段あれば1.2V、3段あれば1.8Vが必要経費みたいになり、
そうするとオペアンプのフルスイングが±12Vあたりなのも納得である
で、
まだ論点はあるのだけどこれから下山するので今回の結論
「ゲイン調整」は、内容的には「入力レベル調整」というのがより実態にあっている
「ゲインを合わせる」は、同じく「出力レベルを合わせる」という言い方がより正確
「クリップする直前が美味しいゲイン」という言い方も、実際には害はなくても厳密には根拠のない定式なのだが
これはまた別に書く予定