CYBERさんが投稿した現代妖怪図録・河童徳利・河童・茅ヶ崎・おかっぱに関するカスタム事例

現代妖怪図録
その10

河童徳利

　神奈川県茅ヶ崎市を流れる小出川に架かっている橋「大曲橋」には、「河童徳利伝説」というお話の伝承があります。
　過去にもTVアニメ「まんが日本昔ばなし」にてアニメ化もされているのでご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか？

　河童徳利伝説は、西久保に住む働き者の五郎兵衛と愛馬アオが出会った妖怪「河童徳利」のお話です。

　ある日、村一番の働き者の五郎兵衛が川でアオの体を洗っていると、いきなり河童が現れてアオを水の中に引きずり込もうとしました。

　河童はものすごい怪力でアオを引きずります！

　驚いた五郎兵衛は先祖直伝の茅ヶ崎空手で応戦！相撲の得意な河童との異種格闘技戦が炸裂します！
　1時間あまりの死闘の末、五郎兵衛は必殺のモンゴリアンチョップで河童を成敗！河童をとらえて木に縛りつけました。
　河童は腹を空かした孫娘の為に魔が刺してしまった、ここで私が殺されれば、可愛い孫娘は餓死してしまう！二度と悪さはしないからどうか許してくれと命乞いをします。
　熱き死闘を繰り広げた好敵手に同情し、五郎兵衛は河童を許してやりました。
　するとその夜、助けてやった河童が現れ、一つの徳利を五郎兵衛に渡しました。

　　実は私は河童の中でも、特別な能力を持つ河童徳利、河童徳利はその生涯で一つだけ、河童酒が出る徳利を作る事ができる。
　命の恩人のお前に私の徳利を譲る、河童酒は傾けるだけで無限に徳利から出続けるのだ。
　ただし、徳利の底を3回叩くと酒はピタリと出なくなる、ゆめゆめ忘れるな、と言い残して河童は去りました。

　五郎兵衛は半信半疑で徳利を傾けると、確かに酒がとめどなく出続けます！
　恐る恐るその河童酒を飲んでみると、その酒のうまいことうまいこと、五郎兵衛はあっという間に河童酒の虜になってしまいました。

　それからというもの五郎兵衛は朝から晩まで河童酒ばかり飲んで一切働かなくなってしまいました。

　ある日表に出た五郎兵衛はエサを与え忘れて、やせ細って今にも死にそうなアオの姿を見てようやくわれに返ったのです。
　五郎兵衛はおろかな自分を悔い、急いで家に入ると徳利の底を3回叩いて酒を止め、再び村一番の働き者になったとのことです。

茅ケ崎駅（ちがさきえき）は、神奈川県茅ヶ崎市元町にある、JR東日本と相模線の駅です。
　桑田佳祐、加山雄三、松浦亜弥、萩原聖人などが茅ヶ崎出身ですね。

　河童徳利の伝承が伝わるここ茅ヶ崎には近年とある噂があります、夜の繁華街に出没し、手持ちの徳利よりそそがれる酒で男達に酒飲み勝負を挑むが、めっぽう酒に強く、未だかつて一度も破れた事がない女子です。
　そう彼女こそ五郎兵衛との死闘で生き残った河童徳利の孫娘、生涯一つだけ作れる河童酒の徳利を託せる現代に生きる真の漢を探して、今日も彼女は勝負を挑み続けているのです！