フェアレディZのShinさんが投稿したカスタム事例

5速踏み切り　最終話

帰り道が複雑だと言う情報から、先頭をツレのZ34に変わって貰う事にした。(下道→高速)に移りsapさんと合流。同じZ32の2シーターが2台。高速を走る姿はきっと絶景だったと思う。(誰かに写真撮って欲しかったな)

帰り道はそれぞれが割と自由に走る。だがそれは互いに信頼してる仲間達だからこそのハイウェイダンスだ。知らない奴とは高速域でフォーメーションは組めない。抜きつ抜かれつ…絶妙なタイミングでランデブーするZ軍団。

昼を少し回った頃の帰り道の高速道は、案外空いていた。米原を過ぎた辺りで自身の中に最高速アタックをするキューが出た。左車線→右車線に移りアクセルを入れる！『グンッ』とスピードが乗る…今まで聞いたことの無い甲高い音が車内にこだまする。官能的で綺麗に澄んだ音。

前方に一台、新型の白いBMWが悠々と流してる。BMWの前に走ってる車は居ない…。構わずにアクセルを入れて行く…速度を上げて逃げるBMW…車線を譲積りは無いのだろう。

Zは直ぐにBMWの後に張り付いた。『退けよ！』高級外車に乗ってる奴らの半分はこの手だと感じてる。高価な外車乗りはモラルの欠如さえも許されると本気で思ってる輩だ。

勿論！外車の美しいフォルムや素晴らしい性能を純粋なハートで愛してる方達も大勢居る。そう言う方々はとても紳士的で知的な人だ。外車乗り全てを軽蔑してる訳では無いし、外車全てが嫌いな訳では無い。僕はE36Ｍ3は大好きなBMWだ。

15キロ辺りで追い越し車線で頑張られては困るんだよ…。BMWの動きが安定してない。車の挙動でドライバーの運転スキルが判る。間違い無くコイツは下手くそだ。構わずBMWの尻を突く！

溜まりかねてBMWが左にウインカーを上げた。その瞬間を見計らってアクセルをパーシャルからオンに踏み込んだ。

視界はオールクリア！

Zは…
僕の1号機は…
軽くメーターを振り切って更に加速して行く。

Zは今まで聞いた事の無い音を奏でながら加速して行く。タコメーターは7,500rpmに跳ね上がる！もう既に何キロ出てるのかは判らない。ノッキングも、サージングも起こらない。水温は安定し、オイル圧も正常だ。Zは未だ加速してる。耳を澄まして五感で異常を感じ取ろうと試みるが、このスピードとエンジン音の中では判らない。多分異常は無い…だが、少し心配な気持ちに陥る…。

こうなると…赤い鳥さんがくれたアドバイスを思い出す。A/Fセンサー(空燃比計)を付けて置くべきだったか。だが今それを思っても時既に遅しだ。

メーターを振り切り未だも加速して行く1号機…。
僕は驚き歓喜した。

このZはサブコン制御なのだから冷静に考えたら各リミッター解除とECUのセッティングが施されてるのは当然と言えばそうなのだが…実際目の当たりに体感して酷く驚いた。アドレナリンが身体中を巡った。こんなパワーを秘めてるのか！

低く美しいエアロフォルムのZ32は可也のCD値を持つ個体だ。〇〇◯キロを超えても不快な振動や風切り音が起こらない。ただ…車内には甲高いエキゾーストノートが鳴り響いた。

僕はそのまま躊躇無くアクセルを踏み切った！数キロ先に先行車が見えたのだ。踏み切る時は今しかない。甲高いエキゾーストノートは更に大声を上げて吠える。アクセルペダルはとっくにフロアに付いてる。迫る先行車！

ここ迄！僕はゆっくりとアクセルを抜く…
狭く歪んだ視界は広く拡がり、視野が戻って行く。甲高いエキゾーストノートはその音を潜め、2本のメーターの針はモラルの圏内に戻って行った。

車内に掛かってた音楽が要約聴き取れる様になった頃、仮想空間から現実的な空間に戻った気がした。

初めて聴く排気音…
初めて感じたスピード感。
初めて見た振り切ったメーター針。

1号機は一体何キロ出たのか？少し気にはなるが、それよりも5速からあの加速を魅せてくれた1号機に心底痺れた。たった数キロの最高速アタックだったが、それはとても素晴らしい感動を僕に与えてくれた。

帰りの僕らは来た時と同じSA(南條SA)で解散した。我々チームクラウディは事故無く無事に帰路に着いた。遠足は終わった。

完

この物語は完全フィクションです。登場する人物や車は架空の人物や車両であり、実際には存在しません。全く存在しません✋嘘です🙅‍♂️出鱈目です❌フェイクです✋ブラフです✋

ぼくらは何時も安全運転♫
高速道路は常に時速100キロ以下で走ります♫☺️

最後迄読んで頂き有難う御座いました🤗
皆様♫それでは良い週末を😉